2018年3月6日火曜日

マーケットレビュー(2018年2月)

月初め恒例の「先月の社会・経済・金融レビュー」をお届けします。

さて周知のとおり、先月は大変厳しいマーケット環境となりました。
発端は2月2日に米国で8年7ヵ月ぶりの高い賃金上昇が示されたことです。
それを受け金融市場では米国長期金利が上昇(債券価格は下落)、
相対的な割高感が意識され、株式市場は大幅に下落しました。
その後もVIX指数がらみのプログラム売買が相場変動に拍車をかけ、
売りが売りを呼ぶ展開、急速に金融市場が不安定化する流れとなりました。

リーマンショックからもうすぐ10年、極端な金融緩和時代の終焉を目前にして、
「バブル崩壊でリーマンショックの再来か?」と不安を煽る記事も見かけます。
しかし実は過去2年くらいを振り返っても、同様レベルの相場変動が2.3回はありました。

その度に弊社からは皆様には「投資継続の重要性」を呼びかけてまいりましたが、今回もまた同様のメッセージを送りたいと思います。

相場が悪い時はネガティブな、相場が良い時にはポジティブなニュースが市場に蔓延します。しかしそんな目先の情報に流されることなく、私たちは長期視点から合理的な投資を継続してまいりましょう。

私はそれが豊かな人生の経済基盤の構築につながると信じています。

それでは改めて、先月の振り返りを致します。以下ご確認ください。

■2018年2月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済・金融)

1日 米大統領、一般教書演説(1/30)で1.5兆円のインフラ投資計画を表明。
1日 米FOMC(1/31)、追加利上げ見送り(イエレン議長最後のFOMC)。
1日 日本の生保、外債投資拡大の見方強まる(米金利高と円高ドル安の共存で)。
1日 日銀がマイナス金利を導入して丸2年、銀行は貸出金利1%割れで苦境に。
1日 政府は自社株を使ったM&Aのルールを見直す。
2日 アマゾン10-12月決算、最終利益は前年同期比で2.5倍(約2000億円)。
3日 2/2米雇用統計、8年7か月ぶりの賃金上昇率(前年同月比+2.9%)を示す。
4日 欧米の機関投資家がESG投資を加速、化石燃料やたばこ等の投資撤退。
4日 日本の建機メーカーがインドを開拓(10年前の中国のイメージ)。
5日 VIX指数(恐怖指数)急上昇を受け、NYダウが1175ドル安(下落率4.6%)。
6日 NYダウの急落を受け、日経平均も1071円安(下落率4.7%)。
6日 1ドル108円台まで円高が進むも、財務省は沈黙(日米通商関係が背景に)。
7日 2017年米貿易赤字が前年比で8.1%増加、対中国が過去最大。
7日 ユーロに先安観台頭。ECB緩和縮小で資金調達通貨の魅力が薄まる。
7日 米国上院、今来年度の歳出上限を3000億ドル引き上げることで合意。
8日 2017年の日本経常黒字は21.8兆円となり前年比+7.5%増加。
9日 過熱するアジアの不動産市場だが、空室率が上昇、変調の兆し。
8日 世界株式市場が再び急落、NYダウは1032ドル安(下落率4.1%)。
10日   VIX指数関連の上場投資証券が一晩で96%の損失を出して償還。
11日 9日時点の世界株式時価総額は1週間で6%減(約5兆ドル減少)。
11日 2018年3月期の日本企業の純利益27%増、二期連続最高益更新。
13日 リスクオフで円相場が1ドル107円台に(2017年9月以来5か月ぶり)。
14日 世界的企業のユニリーバがSNSを中心にネット広告をとりやめる方針。
14日 米国1月消費者物価指数が前年同月比+2.1%、物価上昇の兆し。
16日 円高止まらず1ドル105円台に突入、米国財政赤字の拡大を懸念。
21日 iPhoneXの失速が鮮明、売れ筋は割安な「8」に。
21日 1/30-31のFOMC議事録が公表され、利上げ加速の可能性が示唆される。
21日 米大統領経済報告で、貿易赤字の不満からドル安容認の姿勢。
23日 日本の1月消費者物価指数は前年同月比+0.9%。
23日 豪資源BHP、EV普及で銅やリチウムの需要拡大を見込み設備投資拡大。
24日 ECB(欧州中銀)が6月理事会で量的緩和終了の是非を決定する意向。
25日 日本の会社員の可処分所得は過去10年で3%減少していることが判明。
27日 IOTに欠かせない次世代通信規格5Gが1年前倒しの2019年商用化へ。
27日 パウエルFRB新議長が議会証言で強気の景気見通しを披露。
28日 家庭に値上げの春到来、公共料金、食品、引っ越し等幅広い分野で値上げ。
28日 中国に景気減速感、2月景況感指数は輸出振るわず1ポイント低下(50.3)。
28日 日本の1月鉱工業生産指数は前月から6.6%低下(前月の反動減の範囲か?)
28日 NYダウは380ドル安、パウエルFRB議長の「タカ派」姿勢を警戒。

■2018年2月の金融市場の動き

【2月末の長期金利】
日本10年国債  0.05% 前月比-0.04%  昨年末比 変わらず
米国10年国債  2.86% 前月比+0.16%  昨年末比 +0.46%
ドイツ10年国債 0.66% 前月比-0.03%  昨年末比 +0.23%
英国10年国債  1.51% 前月比+0.02%  昨年末比 +0.33%

米国の長期金利は良好な雇用統計と物価上昇観測を受け上昇、一方で欧州金利はイタリア、ドイツの選挙前ということもあり、政治的不透明感から低下。日本は黒田日銀総裁の再任があったが大きな変動はなし。

【2月末の先進国株式】
日本(TOPIX)  1768.24  前月比-3.7% 昨年末比-2.7%
米国(S&P500)  2713.83  前月比-3.9% 昨年末比+1.5%
(ナスダック) 7273.01  前月比-1.9% 昨年末比+5.4%
ドイツ(DAX)  12435.85 前月比-5.7%  昨年末比-3.7%
英国(FTSE100) 7231.91  前月比-4.0%  昨年末比-5.9%

米国株式はパウエルFRB議長の「タカ派」発言、トランプ大統領の保護貿易への傾斜等を警戒して大幅下落。しかし昨年末比で見ると、震源地の米国より、日本や欧州の株価下落率が高い。これはドル安の影響が大きいと考えられる。

【2月末の新興国株式】
中国(上海総合)   3529.41   前月比-6.4% 昨年末比-1.4%
インド(SENSEX) 34184.04  前月比-5.0% 昨年末比+0.4%
ブラジル(ボベスパ) 85353.60  前月比+0.5% 昨年末比+11.7%
ロシア(RTS)    1285.47   前月比+0.2% 昨年末比+11.4%

中国に景気減速感が出てきた。習近平の経済政策が景気刺激策から引き締めに転換された影響。金融・不動産のバブルの影響を最小限に抑えながらソフトランディングする態勢に入った模様。世界経済や商品市況にも徐々に影響を与える可能性がある。(長期視点では悪いことではない。)

【2月末の商品市況】
WTI原油先物(1バレル)61.64ドル 前月比-4.8% 昨年末比+2.0%
NY金先物(1オンス)  1315.5ドル 前月比-1.8% 昨年末比+0.7%

原油価格は、米国の在庫増加やシェール勢の増産を受け需給悪化懸念から下落。
金価格は、ドル安の影響で上昇してもよさそうだが、金利が上昇していることから需要盛り上がらず。

【2月末の月末の為替市場】(+は円安 -は円高)
米ドル/円  106.70円  前月比-2.3% 昨年末比-5.3%
ユーロ/円  130.11円  前月比-4.0% 昨年末比-3.8%
英ポンド/円 146.85円  前月比-5.3% 昨年末比-3.5%
豪ドル/円  82.82円   前月比-5.9% 昨年末比-5.8%

1月は米国の状況からドル安が進捗したが、2月は世界的なリスクオフの流れで円高になった。同じ円高ドル安でも中身が変化していることに注目。しかしながら1ドル105円、1ユーロ130円という水準は、海外投資においては比較的悪くない水準だと思う。

以上。