2017年5月30日火曜日

豊かな人生とは?


皆さんにとって、豊かな人生とはどんなものでしょうか?

世間の常識や周りの声に左右されることなく、一度じっくり考えてみることをお薦めしたいと思います。実はそのイメージの中にこそ、皆さんに最適な資産運用スタイルのヒントがあります。

私は1990年に証券会社で仕事を始めた頃から、生涯の大半の時間を費やす自分自身の仕事が、もし仮にお客様から喜ばれないとするなら「それは結構悲しいよなー」と強く感じてきました。どうせやるなら「最高のサービスですね」と言われたい。それに資産運用を業とする自分としては、何よりも仕事を通じて「お客様の豊かな人生」に貢献したい。もしかしたらそれは組織の中では、単なるエゴなのかもしれないし、格好つけているだけかもしれないと悩んだこともありましたが、それでも自分が正しいと思うことを、正しいと思われる方法でやりたい。そんな個人的な気持ちが、私がバリューマネジメントを創業した理由であり、これからも続けていこうと思うモチベーションであると、今だから確信を持って言えます。

「なぜ今なのか?」

それは長年抱えてきた疑問、「豊かな人生って何?」という本質的な問題に対して、概ね自分なりの捉え方ができるようになってきたからです。仕事の目的(お客様の豊かな人生への貢献)が明確になってきたからこそ、手段(ツール)としての資産運用の位置づけも明確になってきたのだと思います。

そもそも、「豊かな人生」なんていうものには、結構個人差があるわけでして、豊かさを構成する要素(仕事、家族、人間関係、お金、健康、食事、夢、時間、趣味、住居、etc)も数多く、どの要素を重要視するかで、豊かさの基準も変わってきます。要するに、人によって「豊かな人生」は異なるということです。

「豊かな人生の答えは、個々のお客様自身の中にある」という当たり前のことを、私は長年、本当には解っていませんでした。それが解った時、自分の金融知識を押しつけがちだった仕事のスタイルが変わり、お客様に最適なかたちを模索していく意識が高まりました。

しかし個々の豊かさの基準は違っても、そこに共通する軸があるということも、色々な学び(パーソナルファイナンス学習)や実務経験(数多くのお客様へのアドバイス)を経て、自分なりに解ってきました。その軸とは、人は誰も自分自身が思い描くライフプランを実現していくことによって、人生の満足感を得ていくということです。

ライフプランと言うと、なんだか堅苦しいものと感じる人もいるかと思いますが、決してそうではなく、私個人で言えば、「バリューマネジメントを真に質が高い個人資産運用カンパニーに育てたい!」という仕事上の長期目標から、「明日、友人と飲みに行くので楽しみだ!」といった気軽な短期プランまで、未来のことは全て含まれる概念です。しかし気軽なライフプランでさえ、体調を崩してしまっては飲みにも行けませんし、失業して経済的に厳しいと、その気も失せるかもしれません。ライフプランを実現するには、それが何であれ「経済基盤と健康状態」が大変重要な鍵になってくるということです。

お客様のライフプラン実現を支える経済基盤を、人生の時間軸に沿って、長期的に構築して管理するために、最適な資産運用プランを立案し、実行・継続をサポートしていくこと。それがバリューマネジメントのファイナンシャル・アドバイザーの仕事です。

そのためには一方で、「世界のどこに?」「未来のどこに?」付加価値を生み出す投資機会があるのかについて、パートナーである運用会社と共に模索し続ける必要もあります。

大変ですが、自分の人生をかけて取り組むべき価値の高い仕事だと、27年間続けてきて、ようやく自信を持って言える段階にきた気がします。とは言え、この仕事にこれで終わりというものはなく、常に進化していかなくてはなりません。そうでないと人工知能やロボットに追い越されてしまう時代ですから…(苦笑)。

2017年5月24日水曜日

日本人の資産運用利回り

日本の個人金融資産の合計金額は、2016年9月末時点で1752兆円。

当然、弊社がお客様からお預かりしている運用資産も含まれているわけですが、ここで問題です。

Q.日本の個人金融資産1752兆円が生み出す年間の利息・配当収入(インカムゲイン)の総額はいくらでしょうか?

A.答えは14兆円。

よって日本人の資産運用利回り(元本の変動除く)は、14兆円/1752兆円=約0.8%となります。

一方、米国と欧州(ユーロ圏)の状況を見ると、下記のとおり(円換算ベース)。

【米国】個人金融資産(2015年時点)=約8400兆円、利息・配当収入=259兆円。資産運用利回りは、259兆円/8400兆円=約3.2%。

【欧州】個人金融資産(2016年時点)=2676兆円、利息・配当収入=98兆円。資産運用利回りは、98兆円/2676兆円=約4.1%。

利息・配当金額を比較すると、日本:米国:欧州=14兆円:259兆円:98兆円。運用利回りの比較では、日本:米国:欧州=0.8%:3.2%:4.1%。

実は上記の数値は、あくまでインカムゲインに着目した数字であり、元本の変動である値上がり、値下がり(キャピタルゲイン)を加味していませんが、それを加味した長期データを分析しても、おそらく日本の資産運用利回りの順位が上がることはありません。

残念ながら圧倒的な差です。長年、資産運用業界で仕事をしてきた人間として責任を感じてしまいます。

このデータからは、現役時代に懸命に働き、せっかく貯めたお金が、ほとんど収益を生まないで、将来の豊かさに貢献できていない。そんな日本人の平均的なライフスタイルが浮かんできます。

この差を生み出す大きな原因になっているのが、個人金融資産の全体バランス=「預貯金‐投資比率」にあると、私は見ています。(それに加えて資産運用会社の運用スキルの差等)

日本の金融資産に占める預貯金比率は約52%、米国は約14%、欧州は約35%。一方で投資(株式+投資信託)の占める比率は、日本は約14%、米国は約46%、欧州は約25%となっています。

この数字を見て、皆さんはどう感じますか?

将来に向け必要な投資をしない会社に成長はありませんが、実は個人も一緒だと思います。「長期投資(自分の能力開発も含め)なくして豊かな未来なし」ではないでしょうか?

高度経済成長時代は、個人の代わりに、国や企業や銀行が投資をして、その分け前をもらうことで、個人の退職後の生活が成り立つモデル(間接金融モデル)でしたが、現在は人生を支える投資活動を、個人の責任で行わなくてはならない時代(直接金融モデルの時代)がきていることを認識しなければなりません。

バリューマネジメントは、長期投資を通じ、弊社のお客様の長期的な資産運用利回りを向上させることが主業務です。それが日本全体の資産運用利回りの向上および経済成長にも繋がると信じ…。それと、いつまでも米国や欧州に負けているのも癪ですしねー。

ブログを書きながら「自分の負けじ魂」に火がついてきました(笑)。

(注)上記数値は、一橋大学院国際企業戦略研究科の調査レポート(2017年5月)からの抜粋。

2017年5月15日月曜日

ブログ始めます。


「長期投資の視点」というタイトルのブログを始めます。

最近、何人かのお客様から、「世の中で起きていることに対し、中浜さんがどのような物の見方、考え方をしているのか、実際に会っている時以外にも知りたい、それが資産運用を継続するうえで安心感にもなるし勉強にもなります。」といった熱いリクエストを頂き、それにお応えしたいと思いブログを始めることにしました。

以前、新聞紙上で経済コラムや投資信託の分析記事等を執筆したりもしていたのですが、正直、自分の文章が、自分の意図を正確に伝えきれていないのではというジレンマがありました。

また作文している自分に気づき、途中で書くことが面倒になったのもあります。本音で語れるフェイストゥフェイスの個人面談の方が楽しいですからねー(笑)。それでも私の文章が好きだという方もいてくださったりして…、そんなこんなで書くことに再挑戦。今度は途中で自分自身が嫌にならないよう、皆さんとお会いして話をしている時のままでいきたいと思っております。

「長期投資の視点」を読んで頂き、巷の金融経済情報を、短期視点でなく、長期視点で捉え、考える習慣をつけて頂ければ幸いです。それが皆さんの「長期投資の継続と成功につながる」と信じ、私もブログを長期継続していくつもりでおりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします!