2018年5月30日水曜日

付加価値


私は「付加価値(Added value)」という言葉が好きです。

価値を加えたり、生み出したりすることができる存在であること。それが私の人生の目標と言っても過言ではありません。

逆に嫌いなことは、くだらない形式主義とか、単なるシェアを奪い合うだけの意味のない競争。こういった付加価値がない行為に巻き込まれ、時間を無駄にしてしまうと、本当にたちまちやる気がなくなったりします(笑)。

とは言え、このようなことは生きている限り、結構あることでして、時にこの個人的な価値観から形成された性格が災いとなることもしばしばです。よって私の場合、付加価値を生み出すことに焦点を当てるあまり、近視眼的な正義感に縛られたり、行き過ぎた合理主義や効率主義に陥ることになったりしないよう、常に自省しなくてはならないと思っております(苦笑)。

さて個人的な信条はさておき、世の中の安定・発展にとっても、付加価値を生み出すという行為が大変重要なことであるのは言うまでもありません。

最も有名な経済指標GDPは、一年間の付加価値の合計ですし、株式会社に代表される会社の仕組みは、世の中に様々な付加価値を提供することを可能にしております。

そして当然、その付加価値は時代のニーズと共に変化します。

モノが不足して経済的に貧乏な時代は、より安く、より性能の良い製品(モノ)を生産することが代表的な付加価値だったと言えるでしょう。

しかし全体としてモノが溢れ、経済的に豊かになると、従来と違った問題が発生して、それが新しい時代の付加価値となります(その多くはモノの生産ではなく問題解決型サービスの提供)。

バリューマネジメントも同様に、お客様に価値(バリュー)を提供し続ける会社でなければ、いくら規模が大きくなっても意味がないと思っています。

「付加価値を生み出す企業」と「お客様の資産」を結びつける長期ポートフォリオ運用によって、長寿時代を豊かに生きるための経済的基盤をつくり管理する。そのお手伝いをすることが、弊社ならびに弊社ファイナンシャルアドバイザーのミッションです。

また良きファイナンシャルアドバイザーを持つことは、金融資産の形成・管理の範疇を超え、仕事のパフォーマンスや人生そのものに対しても価値を加える効果があるということを、私たちはお客様から教えて頂き、学んできました。

そしてこれから私がやらなければならない課題として、自分自身の付加価値を向上させ続けることも大切なのですが、それに加え、仲間(ファイナンシャル・アドバイザー)を増やして「会社として付加価値の合計を増加させていく仕組み」をつくっていくことが挙げられます。

というわけで当分ゆっくりできる時間はなさそうですが…、「どこまでできるか?」頑張ってみましょうー(笑)。


2018年5月15日火曜日

インプットとアウトプット


「基本的にインプットがなければ、アウトプットはないよなー」ということが、突然頭に浮かんできたので「インプットとアウトプット」について書いてみようと思います(笑)。

さて、どんなに独創的は思想や発明も、全く何もないところから生まれるわけではなく、それに関連する様々な情報のインプットがあり、それをいかに解釈し、その断片をいかに統合するかによって秀逸なアウトプットなのか、そうでないのかが決めってくるのだと思います。

 私たちは人生の様々なシーンでインプットとアウトプットを繰り返しています。

・バランスのとれた食事や良質な睡眠をインプットすることで、健康というアウトプットがある。

・勉強によって情報をインプットしなければ、受験で合格というアウトプットは得られない。

・家族に自分自身の愛情をインプットしなければ、家族の幸せというアウトプットはない。

・経済や金融の情報を正しい形でインプットしなければ、適切な資産運用というアウトプットはない。

その他にも色々考えられますが、やはり「良質なインプット」は「良質なアウトプット」の必要条件なのでしょう。

しかし一方で、それは決して十分条件ではないのだとも思います。

どんな良質な情報(インプット)を得ても、前述したように、それを適切に解釈したり、断片情報を統合したりできなければ、より良い結果(アウトプット)は生まれてきません。

「①インプット→②解釈→③統合→④アウトプット」の循環が大切。

基本的に、この循環を積み重ねていくことで、人は成長していくのだと思います。

資産運用においても同様のことが言えます。
情報をいかに解釈するかは、短期の視点と長期の視点で全く異なってきます。
また適切な資産運用のフレームワークを持たなければ、情報に振り回されるだけで、情報を活かす(統合する)ことはできません。

以上こんな感じで…、「インプットとアウトプット」について、あれこれ思いを巡らせてみました。

個人的には、改めて人生の後半戦に向け、自分にとって本当に必要な良質なインプット(もしくはそうでないインプット)とは何か?そして自分は人生において、どのようなアウトプットを望んでいるのか、よくよく考えてみたいと思います。 

2018年5月8日火曜日

マーケットレビュー(2018年4月)

皆さん、今年のGWはいかがお過ごしでしたか?

アクティブに動かれた方、ゆっくりされた方、様々な過ごし方があったかと思いますが、
それぞれの方法で英気を養われたのではないでしょうか。

もしかして連休明けで、すぐに仕事にアジャストできていない方もいるかもしれませんが(笑)、
2018年もあと8ヵ月です。引き続き頑張ってまいりましょう!


【先月のマーケットレビュー】

グローバル視点で経済を捉えると…「強い今」と「不安な未来」が見えてくる。

世界経済を全体的に捉えたい時に、私はIMF(国際通貨基金)が四半期毎に公表している「世界経済見通し(WEOWorld Economic Outlook)」を読みます。

その最新見通しが先月416日に公表されました。

「世界全体の実質GDP成長率(予測)は、2018年が+3.9%、2019年も+3.9%」

この数字、前回の1月公表時と比較して変更はありませんでした(中身をよく見ると、欧米先進国が上方修正され、新興国が若干下方修正されている)。

これは直近(2月~3月)の米国金利上昇やトランプ政権が仕掛けた貿易戦争等の金融面・政治面の混乱を経ても、依然、実体経済は堅調であり続けていることを示唆していると言えます。

またGDP等のマクロ経済面だけでなく、企業業績等のミクロ面でも、足元の堅調さは崩れていません。2017年世界企業全体(約100ヵ国、約8700社)のEPS(一株当たり利益)成長率が+29%と絶好調だったことと比較すると、2018年、2019年はそこまでいかないと思うのですが、米国を代表するS&P500社の2018年度EPS成長率は約+20%が見込まれており、足元で企業業績に弱気な声は殆ど聞かれません。

しかしIMFWEOの中で「これらの極めて強い動きが、今後2年も3年も続くことはない」と指摘しています。私から見ても、多くの投資家が世界の景気拡大も8合目くらいまできている感覚を持っているように感じます。それが先行きの不安となり、各国の景況感指数等のマインド系景気指数が頭打ちになってきていると分析しております。

「今はいいが、そろそろ不安かも?」それがマーケットのコンセンサスとして醸成されつつあります。そういう状況になってくると、そろそろ株式等のリスク資産を売却して、景気が悪くなり、株価が下がったらまたその時に買おうかなーと思う人もいるかもしれません。

しかしながら景気と株価の相関関係はそんなに単純なものではなく、景気が良くても株価は下がることもありますし、その逆で景気が悪くても株価が上がることもあります。いずれにしろ、長期投資においては、このような景気循環を何度も経験していくことになります。4年程度の中期景気循環を2回くらい経験したら(4年×2年=8年)、長期投資家としての経験値は相当高まります。

GDPが高成長の年もあれば、低成長の年もあり、そのたびに企業業績の好不調の波が訪れ、株式・金利・為替の価格も変動するわけですが、8年前と比べると世の中は進化し、新しい製品やサービスを提供する企業が出現する。後で振り返ると、「世界経済の成長の果実を、自分の投資ポートフォリオもそれなりに獲得していたのだなあー」と実感する。そんな経験を積み上げていくことが大切です。

また景気が悪化する状況でも、そこに資産(お金)がある限り、それはどこかに置かなくてはなりません。世界を見渡せば、有利なお金の置きどころ(投資機会)は必ず存在します。そこがどこにあるのかを見極めて資産を配分していくこと(アセットアロケーション)も資産運用において大変重要なことです。

世界の景気拡大が今本当に8合目なのかどうかは神のみぞ知ることです。私たち長期投資家ができることは、景気循環のサイクルを予測することではなく、時間を味方に、また状況に応じた適切な資産配分と銘柄選択をポートフォリオに反映させるよう、そこにフォーカスしていくことなのだと思います。


先月の金融市場の動き

先月は米中貿易摩擦、米朝関係、シリア問題等、直近で緊迫化していた諸問題への警戒感が若干和らぎ、それに伴い金融市場のリスクオフ状態が緩和され、株式市場も堅調な展開となりました。日経平均も3ヵ月ぶりに上昇し、22,000円台を回復。またリスクオフの円高も一服し、米ドルが主要通貨に対して全面高になりました。

一方、米国がイランとの核合意の見直しを要求したことで、中東における地政学リスクが高まり原油価格が急上昇。このことがインフレ懸念につながり、また貿易戦争の余波で世界的なブロックチェーンに影響が出始め、それが期待インフレ率を高める状況になっています。米国の長期金利が一時3%台に上昇したのも、このあたりの影響も大です。このように現在、金融市場は落ち着きを取り戻したものの、金融面・政治面でのリスク要因も多く、方向性が出にくい展開がしばらく続きそうです。



【4月末の長期金利】 
日本10年国債  0.05%     前月比 変わらず 昨年末比 変わらず
米国10年国債  2.95%     前月比+0.21%  昨年末比 +0.55
ドイツ10年国債  0.07%     前月比+0.07%  昨年末比 +0.14
英国10年国債  1.42%     前月比+0.07%   昨年末比 +0.24


【4月末の先進国株式】
東証株価指数  1777.23    前月比+3.6%  昨年末比-2.2
米国S&P500    2648.05   前月比+0.3%  昨年末比-1.0
米国ナスダック  706627   前月比 変わらず 昨年末比+2.4
ドイツDAX   12612.11  前月比+4.3%  昨年末比-2.4
英国FTSE100  7509.3    前月比+6.4%     昨年末比-2.3


【4月末の新興国株式】
中国上海総合    3082.23   前月比-2.7%   昨年末比-6.8
インドSENSEX   35160.36  前月比+6.6%   昨年末比+3.2
ブラジルボベスパ  86115.5   前月比+0.9%   昨年末比+12.7
ロシアRTS     1153.96   前月比-7.6%   昨年末比 変わらず


【4月末の商品市況】
WTI原油先物(1バレル)68.57ドル  前月比+5.6% 昨年末比+13.5
NY金先物(1オンス)  1316.2ドル  前月比-0.5% 昨年末比+0.8


4月末の月末の為替市場】(+は円安 -は円高)
米ドル/円  109.32円   前月比+2.9%  昨年末比-3.0
ユーロ/円  132.06円   前月比+0.9%  昨年末比-2.3
英ポンド/円 150.49円   前月比+1.0%  昨年末比-1.1
豪ドル/円   82.89円    前月比+0.8%   昨年末比-6.4

以上