2018年10月31日水曜日

弊社サービスについて

時々セミナーとか講演を依頼された際に「パーソナルファイナンスと資産運用」というお話しをすることがあります。今回のブログでは参考までに、その一部をご紹介させて頂きます。

■パーソナルファイナンスとは?(私の解釈)

「個々の人生の豊かさを最大化するため、どのようにお金と付き合うべきかを体系的に学ぶ学問。」

■パーソナルファイナンスにおける資産運用とは?

【資産とは?】
キャッシュフローを生み出すもの
②換金性を有するもの
上記①もしくは②の条件を満たすものと定義できる。

パーソナルファイナンスにおいては、預金、保険、証券、不動産、貴金属等を広義の「金融資産」とし、人間そのものも労働によってキャッシュフローを生み出す「人的資産」と位置付けています(要するに人的資産と金融資産を取り扱う学問)。

【運用とは?】
その名のとおり「運ぶ+用いる」ということです。
例えば、円の現預金から米国30年国債を購入するということは「30年後にお金を運ぶ」という時間的側面と「日本から米国に運ぶ」という地理的側面があることになります。
要するに運ぶという概念には「時間と場所という2つの側面」があるということです。

よって資産運用とは?
上記①②の条件を満たす資産を「将来のどの時点に運ぶべきか、運ぶべき有利な場所はどこか」等を考慮して最終的に「どの金融資産を用いるべきか」を選択することと言えるでしょう。

堅苦しい定義はさておき「現在の金融資産」および「今後生み出すキャッシュフロー」をインフレから守り将来の購買力を維持するためには、また退職後に自分(人的資産)がキャッシュフローを生み出さなくなった時、キャッシュフローを生み出し続けてくれる質が高い金融資産をつくっておくには、やはり「パーソナルファイナンスの考え方をベースにした資産運用管理の実践」が重要だと、私は考えます。

特に100年人生とも言われる時代においては、自分自身の人生を俯瞰して、個々の人的資産と金融資産をどのようにマネジメントしていくべきか?それを真剣に考えておく必要があるのではないでしょうか。

そんな問題意識のもと、弊社は個々のお客様に最適な資産運用管理の方法や長期の投資プランについてアドバイスをしております。

そしてアドバイスにとどまらず、長期視点で資産価値を高めてくれる可能性が高い運用会社を選別し、金融市場そのものが持っている潜在的な平均収益率(β)と、その平均を上回る付加価値(α)を生み出す運用会社のスキルを、お客様の資産価値向上に役立てたいと思っております。

    個々の人生設計を実現するための、全体的かつ最適なファイナンシャルアドバイス。
    金融市場の成長+αを獲得する投資ポートフォリオの構築・管理。
    専門のIFAが個々のお客様に最適なかたちで資産運用管理をサポート。

以上3点が、弊社がお客様から手数料を頂いて行っているファイナンシャルサービスです(手数料の源泉は、主に投資信託の販売手数料と信託報酬の一部)。

弊社の資産運用サービスですが、お客様にご負担頂く手数料等に対して、ポートフォリオ運用による長期リターン(β+α)の獲得、それに付随するファイナンシャルサポート(主にリスク面のサポート)等のサービスを考慮すると、グローバルに見てもコストパフォーマンスが高いサービスだと自負しております。

特に現役世代で、自分自身の仕事に集中した方が(パーソナルファイナンスの観点から)資産全体のリターンが高くなるビジネスパーソン、また退職後の煩わしい資産運用管理に一喜一憂したくない一定以上の資産を保有している方には、弊社のパーソナル資産運用サービスを、自信を持ってお薦めしたいと思っております。

まあ、自分で言うのもなんですが…(笑)。

ところで資産運用の分野で明らかに日本よりも進んでいる米国では、アドバイスに係る手数料と金融商品の手数料が分離されているケースが多く、今後の日本も(弊社も)学ぶべき点が多いように感じます(お客様にとって、受けているサービスと支払っている対価が解りやすい)。

2018年10月24日水曜日

下落局面におけるマインドセット

2018年も残すところ約2ヵ月となってきましたが、10月に入って国際金融市場は不安定化し、各国の株式市場も比較的大きな下落局面を迎えています。

1023日時点で日米中を代表する株価指数を見ると、10月に入り、NYダウは4.8%下落(26548.3125191.43)、日経平均株価は8.7%下落(24120.0422010.78)、上海総合指数は8.0%下落(2821.352594.82)しています。

今月特に新しい悪材料が出たわけではないのですが(サウジアラビアの新聞記者殺害等が国際情勢に影を落としている部分もありますが…)、従来から不安要素として挙げられている「米国の金利の上昇と米中貿易戦争」が事あるごとに蒸し返され、金融市場のボラティリティ(変動率)を高めているというのが現状です。

大局的に見ると、マーケットの不安心理が後退すると上昇し、逆に不安心理が高まると下落する、そんなドタバタ劇を繰り返しているだけの2018年とも言えるでしょう。

しかし大きく低下したボラティリティ(変動率)、なかなか上昇しない金利といったぬるま湯のような2017年のマーケット環境が、今年ある種の厳しさを取り戻したのは、もちろん短期的にはストレスが高まるわけですが、長期のマーケットの健全性を考えた場合、新たな投資機会の創出にも繋がり、一概に悪いことでもないと私は考えます。

今後も11月6日(日本時間7日)の米国中間選挙というイベントを控え、その結果次第で最終的に2018年末がどんな状況で終わるのか。それはまだ誰にも解りませんが、弊社のお客様にはこんな時こそ、改めて長期視点をキープして頂きたく思います。

「長期的なマーケットの成長=リターン(収益)」を獲得する為に、必ず付随する「価格変動(特に短期的かつ大きな下落局面)」を、どのように捉え、どのように考え、どう受け止めるか。そこが長期投資を成功させるうえで、最も重要な長期投資マインドの肝の部分です。

短期的な変動にドタバタせず、自分の投資ポートフォリオをキープし、一時的な下落局面においても忍耐強く投資を継続すること。言葉にすると簡単ですが、行うことは通常とても困難なことでもあります。

それは昨年、結果的に円ベースで2割近く上昇した世界株式マーケットという環境下においてでさえ、疑心暗鬼になったり、少しでも人より安く買いたいという欲望から投資タイミングを逸したいうことが主な理由で、実に日本人の4割の人が儲かってなかったという事実(日本経済新聞の2017年投資家調査の結果)が物語っているような気がします。

さて今現在、良くも悪くも、世界経済および金融市場の不安定化の一番の原因が、米国のトランプ大統領の存在であることを否定する人はいないでしょう。

しかし一方で10年後の世界を想像すると、米国大統領がトランプ氏でないことは確かでしょう。ちなみに私も50歳から、おそらく何もなければ60歳になっているはずです(笑)。

そして10年後、優れた商品で構成されているグローバル投資ポートフォリオは、円預金や日本10年国債といった減ることはないが増えることもない資産よりも、おそらく+αの資産価値を生み出していると私は推測しています。

その資産は、その後も運用され続け、20年後、30年後の未来においても、お客様の豊かな人生の一助になっている。

そんな真に意味のある「豊かな人生に貢献する長期リターンの獲得」を目指し、今起こっている、そして将来も繰り返し起こるであろう短期的な変動を、お客様と一緒に乗り越えていきたいと思っております。

引き続きよろしくお願いいたします!

2018年10月9日火曜日

マーケットレビュー(2018年9月)

20188月にアップルの時価総額が、史上初めて1兆ドル(約110兆円)を超えましたが、先月はアップルに続き、アマゾンの時価総額も1兆ドルを超えてきました。

このように今年も米国株式市場の好調ぶりが伝わってきますが、実は米国の代表的な株価指数S&P500の年初来上昇率の寄与度を分析すると、このアップルとアマゾン、そしてアルファベット(グーグル)、マイクロソフト、ネットフリックス、エヌビディアの6社で、なんと約49%を占めるそうです(残りの494社で約51%)。

世界的に様々な不安心理が蔓延する中、「少数の安定成長が期待できる会社」にお金が集まってくる構図が垣間見えます。

ところで投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドという2種類のファンドがありますが、インデックス(指数連動)型を選択すると、必然的に時価総額上位銘柄を組み入れが多くなります。現在、米国で(世界でも)インデックス運用の比率が高まる中、株価水準に関係なく、時価総額上位銘柄の株式が買われる状況が続いており、それがアップルやアマゾン等の時価総額上位銘柄の株価を、業績とは関係のない需給面から押し上げているとも言えるでしょう。

このようにインデックス型の比率が高まると、本来の企業の実力と適正株価の間に乖離が生じやすくなりますので、そこにアクティブファンドの超過収益(α)の機会が生まれやすくなってくることを、長期投資家は十分に留意しておくべきでしょう。

今は、相場全体(森)を見るより、個別銘柄(木)を見ることが重要な局面であると、私は考えています。時価総額上位銘柄以外の優良企業が割安に放置されている可能性が大だと感じるからです。



【マーケットコメント】
さて今月も、先月の実体経済および金融市場で起きた出来事を振り返り、個人的な見解等を述べてみます。

まず実体経済面、米中貿易戦争の激化で騒がしい国際情勢とは裏腹に、世界の景気は思った以上の堅調ぶり。特に米国の経済指標の強さは際立っており、46月実質GDPは前年同期比+4.2%、企業の業績(S&P500)も46月期で約20%増益、直近8月のIMS製造業景況感指数は+61.3となり、これは2004年以来の高水準の数字です(絶好調と言ってもいいでしょう)。

一方で中国は米国よりも貿易戦争の影響は大きいわけですが、それでも内需の強さ、テクノロジー産業の発展、また政府の景気下支えの姿勢が功を奏し、46月期のGDPは前年同期比+6.7%と堅調です。日本や欧州も思ったより悪くありません。特に日本企業の業績は今期減益見通しでしたが、このままいくと10%に迫る増益の可能性があるくらいの堅調さです。

そんな予想以上の景気の強さ、企業業績の堅調さを背景に、2018年8月の金融市場は、先行き不安が和らぎ、全体的に堅調な展開となりました。通貨危機による経済不安が台頭していた新興国でも、トルコ中央銀行がエルドアン大統領の強権に屈することなくインフレに対応して大幅な利上げを断行したことが功を奏し、落ち着きを取り戻しました。

ただ一方で原油価格と米ドルの上昇によって、インド経済に苦境が伝わっており、インド株式市場は大きく下落。このように、まだまだ真の意味で、マーケットが落ち着きを取り戻したわけではありません。今後も11月6日の米国中間選挙等のイベント、また欧州で台頭するポピュリズムの動き、英国のEU離脱問題も予断を許さず、先行きの警戒感が、株式等のリスク資産の価格の上昇を抑制しそうです。

これらの不安材料は一見好ましくないように思えるのですが、長期投資の視点から言えば、これらの不安材料が市場のバブル化を防ぎ、証券価格をあるべき水準に落ち着かせるアンカーの役を果たしているとも言えます。

不安が全くない人生が素晴らしいかと言えば、実はそうではないのが真実かと思いますが、それは金融市場においても同様であると私は思います。


【金融市場の動き】
(9月末の長期金利) 
先月は世界経済の堅調な指標を受けて、世界の長期金利は上昇しました。
米国FRB925日~26日のFOMCで0.25%の利上げを実施(年2%~2.25%)。
年内は12月にあと一度利上げが予想されております。
来年以降のイメージとして2019年に3回、2020年に1回、そこで打ち止め?
というコンセンサスが形成されておりますが、実際どうなるかは予断を許しません。
米ドル相場との関連からも、米国の利上げの行方は金融市場で最も注目するポイントの一つとなっています。

世界の長期金利
9
前月比
年初来
日本10年国債
0.13%
0.02%
0.08%
米国10年国債
3.07%
0.21%
0.67%
ドイツ10年国債
0.48%
0.14%
0.05%
英国10年国債
1.57%
0.13%
0.39%



(9月末の日本株式)
二つの側面から大きく上昇しました。一つは新興国投資の減退によって、消去法的に、日本市場にグローバル投資マネーが流れた。二つめに、思った以上に日本企業の今期業績が堅調で予想PERも約14倍くらいと割安になっていること。

国内株式
9
前月比
年初来
日経平均株価
24120.04
5.5%
6.0%
TOPIX
1817.25
4.7%
0.0%
ジャスダック平均
3831.49
0.2%
-3.0%
東証REIT指数
1777.18
1.4%
6.9%



(9月末の先進国株式)
米国株式市場は堅調だが史上最高値圏でもみ合い。欧州株式は前月に続き冴えない展開。英国のEU離脱、イタリアの政治(将来EU離脱も?)、トルコ経済の混乱等が
不安材料となっている。

海外先進国株式
9
前月比
年初来
NYダウ工業30種
26458.31
1.9%
7.0%
S&P500
2913.98
0.4%
9.0%
ナスダック
8046.35
-0.8%
16.6%
FTSE100
7510.2
1.0%
-2.3%
DAX
12246.73
-0.9%
-5.2%
香港ハンセン
27788.52
-0.4%
-7.1%



(9月末の新興国株式) 
トルコの利上げで、新興国市場は落ち着きを取り戻すが、
原油高、ドル高(ルピー安)でインド株式市場も久しぶりに大きな下落となった。

海外新興国株式
9
前月比
年初来
上海総合
2821.35
3.5%
-14.7%
インドSENSEX
36227.14
-6.3%
6.4%
ブラジルボベスパ
79342.42
3.5%
3.8%
ロシアRTS
1192.04
9.1%
3.3%



(9月末の商品市況) 
米国とイランの対立による、イラン産原油の全面禁輸等の可能性が意識され、
た一方で、シェールオイル等の増産ペースが鈍いことで原油価格が大幅上昇。
ドル高と原油高が同時に進行していることが、世界経済に及ぼす影響が懸念される。

商品
9
前月比
年初来
原油WTI先物(ドル)
73.25
4.9%
21.2%
NY金先物(ドル)
1191.5
-0.7%
-8.8%
CRB指数(ドル)
195.16
1.1%
0.7%


9月末の為替市場)  黒字は円安、-赤字は円高
世界的な金融市場の緊張緩和で先月までのリスクオフの円高状態から、
全通貨に対して円安が進行。

為替
9
前月比
年初来
米ドル/
113.61
2.3%
0.8%
ユーロ/
131.90
2.3%
-2.5%
英ポンド/
148.07
2.8%
-2.7%
豪ドル/
82.13
2.8%
-6.6%
NZドル/
75.32
2.5%
-5.7%
カナダドル/
87.96
3.3%
-1.9%
スイスフラン/
115.77
1.0%
0.1%
南アランド/
8.04
6.4%
-12.1%


以上